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馬房

小説は妄想と捏造甚だしい。 原作のネタばれ、都合の良い解釈。 R18、グロ(精神的にも)、暴力表現などが含まれます。 冒頭にざっと注意を書いてありますので、それを読んだ上での 閲覧を宜しくお願い致します。何かあればご連絡いただければ幸いです。 基本的に右ジャンしか書きません。 萌が斜め上です。無駄にシリアスバイオレンス脳です。 拙い文章ですが、少しでもお楽しみ戴ければ嬉しく思います。 右ジャン、ジャン総受けしか書きません。あしからず。

モデルな人々


・リヴァイ→ジャン
・エレン→ジャン
・ローソンコラボを受けて
・モデルな現パロ






 あっ!と、鋭い悲鳴に近いものが聞こえた。
 振り返ればジャンが机の上に置いてあったカフェオレを倒し、ジャケットとパンツを濡らしてしまったようだった。
「何をやってるんだお前は」
「すみません、ぼーっとしてて……」
 若い新人モデルのジャンは、事務所の後押しを受けてテレビに、雑誌にと連日引っ張り回され、休日も碌になく収録、撮影の日々。家に帰っても寝るだけの生活が続いていると言う。体だけでなく、気遣い疲れ、事務所からの重圧などの精神的な疲労も積み重なっているだろう事は想像に難くない。
 その上、今日はベテランの先輩モデルや、同期のモデルとの合同撮影だ。緊張もしていただろう。察するにはあまりあるが。
「他の時間はぼーっとしてても構わないが、撮影の直前には気を引き締めておけ、プロだろうが」
 同事務所の人気俳優でもあり、モデルとしても先輩であるリヴァイからの叱責を受け、ジャンは肩を落とす。懸命にハンカチで服を拭っているが、色の薄い服に染みついたカフェオレの色は簡単には落ちないだろう。
「戻って着替えてる暇はねぇな……、少し待ってろ、スタイリストと話してくる」
 五分ほど、リヴァイがジャンの側を離れ、戻ってくれば手には新しい服。
「俺の色違いの替えだが……、丈は兎も角、お前は細いから入るだろう、適当に袖でも捲って誤魔化しとけ」
「え、でも……」
「他の奴にも説明してあるから服が違う事は心配するな」
「リヴァイさん……」
 渡された服を抱き締め、若干、瞳を潤ませてジャンは先輩であるリヴァイを見下ろした。決してわざとではなく、リヴァイの方がジャンよりも低いためにそうなっているだけで、他意はない。
「ほら、時間がねぇんだ。その辺でさっさと着替えろ」
「は、はい!ありがとうございます」
 勢い良く頭を下げ、機材の裏側に飛び込んでジャンが服を脱ぎ、着替えていく。完全には隠れておらず、細い腰や、長い脚、広くも薄い肩がちらちらと見えているが、本人は気にしていないようだ。
 離れた場所から、エレンがそれを凝視しているにもかかわらず。
「鈍い奴だな……」
 器用に見えて他人に対しては不器用で、青くて、危なっかしく、どうしても気になってしまう後輩。それがリヴァイのジャンに関する認識だ。

 先輩として色々指導してやらねば。

 この撮影の後は事務所モデル全員とスタッフとの懇親会のはずだ。適度に付き合い、途中で抜け出しても誰も気にしない。
 ジャンを連れて悩みの一つでも聞いてやろう。リヴァイは決意も新たに、独りで小さく頷く。
 スタッフに呼ばれカメラのフラッシュを浴びながら、リヴァイの頭にあるのはジャンの事だけであった

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