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馬房

小説は妄想と捏造甚だしい。 原作のネタばれ、都合の良い解釈。 R18、グロ(精神的にも)、暴力表現などが含まれます。 冒頭にざっと注意を書いてありますので、それを読んだ上での 閲覧を宜しくお願い致します。何かあればご連絡いただければ幸いです。 基本的に右ジャンしか書きません。 萌が斜め上です。無駄にシリアスバイオレンス脳です。 拙い文章ですが、少しでもお楽しみ戴ければ嬉しく思います。 右ジャン、ジャン総受けしか書きません。あしからず。

利己的な愛情

・ストーカーフロ
・フロがジャを殺害、解体描写
・短い
・※カニバ示唆の描写注意※
・フロ→(特大)→ジャン

※死にネタ:ド地雷踏む可能性があります。自己責任でどうぞ





 最愛の人を殺した。
 けれど俺の頭は酷く冷静で、大きな動揺は見られない。
 自ら命を奪った肉の塊を頭の先から爪先までじっくりと眺め、死体の傍らにしゃがみ込みながら顔を覗き込んだ。
「ジャン、ごめんな?」
 謝罪を口にするが、これは殺してしまった事に。ではなく、苦しませた事に対してだ。

 殺そうと決めてから一応準備はしていた。
 目的はジャンを自分のものにするために殺す事で、苦しませるのは本意では無かったから胸を刺す際に肋骨に当たって失敗しないように、出来うる限り細身で長く頑丈なナイフを用意したし、警戒されすぎないよう気を抜いて晩酌を楽しんでいる週末を狙った。
 けれど、思ったより上手くはいかなかった。扉を開けさせるまでは良かったが、出会い頭にジャンを刺そうとしたら思いの外、防御反応が早くてナイフが肺に刺さってしまった。肺に穴が開いたせいできちんと息が出来なくて苦しそうで、早く楽にしてやりたかったのに、ジャンがやたらと逃げ回るから無駄に苦しめてしまった。

「でも、お前が悪いよな。お前がちっとも俺のものにならないから」
 俺なりに努力はしてたんだ。
 でも、ジャンは俺なんか気にしない。
 部署は違うが、同じ会社に勤めているのに。だ。
 少しでも接点を持とうとわざわざ隣に引っ越したし、顔を覚えて貰えるように頑張って話しかけた。そこまでしてもジャンは俺を好きになってくれない。他の奴とばかり楽しそうにして、見てすらくれない。なら、こうしても仕方ないじゃないか。
「なぁ、俺が嫌いだったか?」
 ジャンに答えの出ない問いを投げかけ、苦しさに見開いた瞳を抑えて瞼を閉じてやり、さて。と、声を出して立ち上がった。

 ぐったりとしているジャンを背負い、玄関の扉に耳をつけ、外に人の気配がない事を確かめて外に出る。一見すれば寝落ち、あるいは酔っ払いを介抱している人間に見えなくもない。
 何食わぬ顔でジャンを背負ったまま自室へと戻り、風呂場で死体を降ろす。

 殺した死体の処理はどうするか。
 少しだけ悩んだ。
 山に埋める。
 水に沈める。
 推理小説やドラマで有り勝ちなのはこの辺りだが、虫けらや魚、獣なんかにジャンの肉を食わせるなんてとんでもないし、ただ腐らせて仕舞うのも勿体ない。それに、そんな事をしたら結局ジャンは俺の側から居なくなるだけ。だから、食おうと思った。
 人間は雑食だから肉が臭くて食えたものではないらしいが、ジャンは多分美味いだろうし、ジャンが俺の血肉になる。素晴らしい事だ。
 残った骨は丁寧に処理して標本にしてしまおう。

 想像するだけで興奮する。
 これならずっと一緒だ。

 鼻歌でも歌いたい気分になりながら大ぶりな包丁を肉に突き立て、頑張って解体していく。魚や鳥で練習はしたが、やはり人間は勝手が違いすぎて難しい。
 血まみれになりながらも丁寧に肉をこそぎ、筋を切って関節を外し、最後に首を切り離してサロメにでもなりきったが如く、血まみれの唇に口付けた。

 俺と一つになろうな。
 心がじわ。と、満たされ、冷たい生首を胸に抱いて俺はうっとりと眼を細めた。

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