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馬房

小説は妄想と捏造甚だしい。 原作のネタばれ、都合の良い解釈。 R18、グロ(精神的にも)、暴力表現などが含まれます。 冒頭にざっと注意を書いてありますので、それを読んだ上での 閲覧を宜しくお願い致します。何かあればご連絡いただければ幸いです。 基本的に右ジャンしか書きません。 萌が斜め上です。無駄にシリアスバイオレンス脳です。 拙い文章ですが、少しでもお楽しみ戴ければ嬉しく思います。 右ジャン、ジャン総受けしか書きません。あしからず。

ちゅうちゅうちゅう

・ませガキなフロ
・あしらうジャン君
・2020/05/22




「今日も新種の鼠が出たな」
 そうジャンが俺を見て面白そうに笑う。
 俺はちっとも面白くないが。
「ちぅ……」
「はいはい、おやすみ」
 ジャンが縋りつこうとする俺の額に口付けてから素早く客室を出て行く。出てしまえばもう追えない。早く寝なさい。などと叱られてしまうからだ。
 俺は小さく舌を打ち、布団の中に潜り込む。

 週に一度、遠縁ではあるが近所に住む親戚の家に預けられるようになって早数年。
 初めてジャンと会ったのは、この土地に引っ越してきた六歳の頃になる。子供ながらに一目惚れだった。なんと言えばいいのか、ジャンを見た瞬間、直感的に『俺の運命だ』なんて思ったんだ。
 惚れた弱みか俺がジャンに対しては従順とあって、忙しい両親は俺を頻繁にこの家へ預けていた。おじさんも、おばさんも優しく、そんな親に育てられた割に口が悪いもののジャンも面倒見が良くて、面倒だと口にしつつも一緒にお風呂に入ったり、同じベッドで寝てくれたりしていた。

 好意を持つからにはジャンに触れたい欲求が湧くまで大した時間はかからず、湯船の中でコアラ宜しく抱き着いたり、眠るジャンの服の中に潜り込んでおっぱいを吸ったりしていたのだが、蜜月は長く続かず、仕様もない悪戯に気付かれてからはベッドどころか部屋自体、別になってしまった事がとても悲しい。
 そこで俺は考えた。
「おやすみのキスして?いつもママはしてくれるよ?」
 なんて、子供らしくぶりっ子全開で甘えれば、苦く笑いつつもジャンは額や頬に口付けてくれた。出来れば唇にして欲しいのに上手くいかない。ならば。と、自分から迫れば先程のように『新種の鼠が出た』そう揶揄られ、あしらわれて逃げられる。

 悔しい。
 早く大人に成りたい。
 ジャンが見惚れるくらい格好良くなって、『鼠』なんて揶揄られず、映画で見た恋人同士のように濃厚にべろべろするようになりたい。
 あぁ、起きたら十年くらい経ってないかな。なんて思いながら目を閉じれば、何故か成長ではなく巨大化をする夢を見てしまい、自分で自分が良く解らず困惑していれば起こしに来た、ジャンに変な顔。と、馬鹿にされる羽目になってしまった。

 畜生。
 今に見てろよ。
 絶対メロメロにしてやるんだからな。

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