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馬房

小説は妄想と捏造甚だしい。 原作のネタばれ、都合の良い解釈。 R18、グロ(精神的にも)、暴力表現などが含まれます。 冒頭にざっと注意を書いてありますので、それを読んだ上での 閲覧を宜しくお願い致します。何かあればご連絡いただければ幸いです。 基本的に右ジャンしか書きません。 萌が斜め上です。無駄にシリアスバイオレンス脳です。 拙い文章ですが、少しでもお楽しみ戴ければ嬉しく思います。 右ジャン、ジャン総受けしか書きません。あしからず。

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無駄な我慢比べ

・一時期ツイッタで話題になった外国のドラマパロです
・ゲロ甘フロ君です
・2020/04/24




 天気のいい休日。
 春休み中とあって気候も暖かく心地好い日だ。
 予定も特になかったため、窓から青空を眺めながらごろごろと怠惰を極めていた所にスマートフォンが鳴り響いた。しかもビデオ通話だ。
「なんだよ……」
「よ、暇してるか?」
「まーな」
 ジャンも暇なのか部屋着の簡素なTシャツで寛いでいるようで、俺と会話しながらマグカップを片手に持っていた。
「あのさー、おやつ欲しい」
「え?」
 ジャンの唐突な切り出しに俺は戸惑いの声を上げ、ジャンは飲物を口に含んだ。
「スタバのシナモンロールとかさ、甘いもん。暇してるんだよな?買ってきてくれ」
「なんで俺が、自分で行けよ」
 使いっぱしりにするために電話をしてきたのか。
「おやつ持ってきてくれたらおっぱい触らせてやるよ」
 呆れて切ろうとすれば、この反応を見越していたのか、ジャンは俺に爆弾を投げて来た。
 あまつさえ、挑発するように服を捲って見せる。
「なぁ、おやつ欲しいなー?」
 小首をかしげてにやつくジャンに腹を立てながら、俺は無言で通話を切り、近くの大型スーパーに走った。

   ◆ ◇ ◆ ◇

 やってきた俺の姿を見て、ジャンは爆笑していた。
 俺の手には今も昔も愛されて云十年のスナック菓子各種に、ミスタードーナツのジャンが好きな奴、指定されたスターバックスのシナモンロール、ついでに新作のフラペチーノクリームマシマシ、加えてお高いチョコレートが握られていたからだ。
 正直、持ち過ぎて指が千切れるかと思った。
「おま、どんだけ……!」
 ジャンはもう耐えられないとばかりに床に突っ伏して笑い、目に涙まで浮かべていた。自分で要求した上に挑発までした癖に、なんて失礼な奴だ。
「随分、金かかったんじゃねぇ?」
 声を引き攣らせながらジャンが目元を擦り、俺の手にあった袋を受け取った上に、なんの断りもなくフラペチーノを飲み出した。別にいいけど。
「ジャン、持ってきてやったんだから触らせろ」
「えー……」
 鬱陶しそうに俺を見る目。
 張り倒してしてやりたくなる。
「しゃーねぇな」
 二つあるクッションの内、後ろにある一つをジャンが示し、座るように促してくる。
「じゃ、俺適当に映画見てるから、お好きにどうぞー」
 俺が座れば、もう一つのクッションにジャンが座り、俺を背凭れにしてくる。使いっぱしりの次は、クッション兼座椅子扱いか。
 ジャンはプラペチーノをちびちび飲みながら、俺に体を預け、最近話題のアクション映画をのんびり眺めている。さりげなく俺を無視やがって腹が立つ。

 服の中に手を潜り込ませ、胸を揉んでも無反応。
 俺も半ば意地になり、十分ほど無心で揉んでいたら、ジャンが顧みて来る。
「なんだよ」
「まだやんの?」
「どんだけ買ってきてやったと思ってんだ」
 俺が睨みながら言い、うなじに噛みつけばジャンは体を震わせ、肌が紅潮している様子が見えた。恥ずかしいのか興奮しているのか。
 フラペチーノはまだ半分ほど残っているが、全く進んでいない。
「なんか俺に言う事は?」
「ねぇよ」
 両手でフラペチーノを握り締めたまま、ジャンは映画を見ている振りをしているが、全く集中出来ていない事は手に取るように分かった。投げ出していた長い脚を曲げて体を畳み、少しばかり息が弾み出している。
「他に欲しいものないのか?」
「ない」
 ジャンは頑なに答えようとせず、かと言って俺の手も払い退けない。
「じゃ、ずっとこのままだな」
「お前もな」
 お互いに意地になり、どちらが先に音を上げるかの戦いになってしまった。

 俺もジャンも負けず嫌い。
 目の前にあるうなじに耳の淵、歯を立て舌を這わせ、さぁ早く負けを認めろ。と、圧をかけては見るが、貝のように口を噤んでしまったジャンに敗北宣言をさせるのは、まだ時間がかかりそうだった。

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