忍者ブログ

馬房

小説は妄想と捏造甚だしい。 原作のネタばれ、都合の良い解釈。 R18、グロ(精神的にも)、暴力表現などが含まれます。 冒頭にざっと注意を書いてありますので、それを読んだ上での 閲覧を宜しくお願い致します。何かあればご連絡いただければ幸いです。 基本的に右ジャンしか書きません。 萌が斜め上です。無駄にシリアスバイオレンス脳です。 拙い文章ですが、少しでもお楽しみ戴ければ嬉しく思います。 右ジャン、ジャン総受けしか書きません。あしからず。

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

管理気質

・社会人で既に付き合ってるフロジャン
・束縛管理彼氏フロックと、つい流されがちなジャン
・面倒と思いながらもフロックに依存してるっぽいジャン
・2020/01/13





「今日はこれな」
 そう言って渡されたのは、派手な花柄のボクサーパンツ。
 藍鼠色のパジャマもきちんと畳んで添えている。
「解かった」
 特に抵抗する事もなく受け取り、浴室へ行き、体を洗い、同居人ことフロックが用意した着て眠り、朝を迎える。

 まるで母親が息子の世話を焼くが如くの行動。
 本人曰く、俺が好き過ぎて何でも介入したいのだと言う。
 俺の私物を管理し、肌に触れる物、口に入る物、着る物、身につける物を全て、知っておきたいらしい。特別、『これでなければならない』などの拘りではなく、必要なのは把握。
 一度、昼食の写真を撮り忘れ、送らなかった時など涙目ながらに三十分ほどねちねち怒られた。叱るのではなく、ぷりぷり怒りながら拗ねるのだから、分かった分かった。今度からちゃんと送るから。と、宥めてしまった。

 何故、俺はこんな奴と付き合っているのだろう。
 食に対する関心が薄く、センスが致命的な料理以外なら案外、気の利く男ではある。あれこれと管理しているだけあって、俺が日常的に使っているボディークリームや浴室用品、生活に必要な日用品が無くなれば仕事帰りに買って来てくれ、俺は食事担当なので食料関係を調達して来る。
 お互いに足りない部分を補い合う、悪くはない関係ではあるが、偶に面倒になる事もなくはない。
「ジャン、豚肉の賞味期限切れそうだったから冷凍庫に入れといたぞ」
「あー、生姜焼きしようと思ってたの忘れてた。ありがと」
 一昨日ほど前に、生姜焼きを食べたくなって豚肉を買ってきたはいいが、冷蔵庫を開ければ先に使わなければいけない鶏肉があったものだから、唐揚げとシチューに変更したのだった。
「明日、使おうかな」
「別に作りたいもん作れば?」
「そうか?」
 頷きながら、フロックは俺に用意していたビールを差し出してくる。
 こう言う所はいいんだよ。本当に居心地がいいと言うか、従順にしている間は確実に優しいいい男なんだ。
 風邪引いた時も、無理すんな。お前一人行かなかったくらいで会社は潰れねぇよ。そんな甘言を囁きながら甘やかしてくれる。流石に、一日の行動をレポートに纏めて提出しろ。と、まで言われたら別れていたが、今の所それはない。
 ビールを飲み切り、ほろ酔いいい気分になった所で二人並んで寝る準備をして就寝体制に入る。今日も悪くはない一日だった。
「じゃ、また明日……」
「もう寝んの?」
 自室に入り、ベッドに入って目を閉じれば明日になる。
 ゆっくり眠り、疲れをとるべく横になれば、何故かフロックまで当然のように入ってきた。部屋を間違えたかと一瞬、悩んでみたが、ここは間違いなく俺の部屋だ。お互いのプライバシーを守るために寝室を分けている意味がない。
「え、やんの?明日忙しいんだけど」
「別にやらないならやらないでもいいけど」
 言いながら、フロックは俺の背中に抱き着いてきた。
 うなじに息が当たる様子から解り易く匂い嗅いでると判り、風呂に入った後とは言え、気恥ずかしくなる。程なくして寝息が聞こえ出すと、一緒に寝たかっただけかと判断し、俺も目を閉じた。
 暖冬とは言え、やはり日が落ちてしまえば冷え込む季節柄、体温の高いフロックと寝るのは、寒がりの俺には正直ありがたい。

 明日はこいつの好物でも作ってやろう。

 布団を肩まで引き上げ、俺を抱き込む手に自らの手を重ね、意外に心地好い眠りにつくことにした。

拍手

PR