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馬房

小説は妄想と捏造甚だしい。 原作のネタばれ、都合の良い解釈。 R18、グロ(精神的にも)、暴力表現などが含まれます。 冒頭にざっと注意を書いてありますので、それを読んだ上での 閲覧を宜しくお願い致します。何かあればご連絡いただければ幸いです。 基本的に右ジャンしか書きません。 萌が斜め上です。無駄にシリアスバイオレンス脳です。 拙い文章ですが、少しでもお楽しみ戴ければ嬉しく思います。 右ジャン、ジャン総受けしか書きません。あしからず。

寒い日の闖入者=その三=

・ヒッチが友情出演
・ヒッチとフロック幼馴染設定
・R18
・健気な猫ジャン
・19歳に猫耳しっぽ、ありだと思います
・去勢とかされてる、じゃんくんです。 ふろっくすきすき。みたいな





 べちべち頬を叩いて人を起こす手。
 乾燥している目に目薬を差し、潤してからジャンを見れば、フライ返しを片手に嬉しそうに笑っていた。小さな座卓に視線を移動させれば卵焼きと、食パン、豪勢にもベーコンが乗っている。火を点ける際は最大限腕を伸ばし、背中を向けながら点火しているものの、一度点けてしまえばそこそこ使えるようにはなってきた。
 ぼろぼろ零していた猫缶も零さなくなってきて、人間としての生活にも慣れ、成長はしていっているようだ。
「美味そうだな。あんがと……」
「うん」
 ジャンはロイヤルカナン。と、書かれた袋を抱えてぽりぽり食べている。あまりに美味しそうに食べるため、一粒貰ったが俺には食べれたものじゃなかった。ジャンは見た目こそ人間だが、味覚は猫のままなのか。慣れの問題か。ジャン曰く、猫カフェでも出しているかなりお高い餌だそうだが、キャットフードを摘みながら食べている美丈夫。毎朝見ていても変な光景だ。
 淹れてくれた紅茶を飲むと一息吐いて顔を洗い、歯を磨く間、寝ぐせで爆発した頭にレンチンした濡れタオルを乗せて寝かせる。
 本当にジャンの髪質が羨ましい。なんで俺の髪は硬い上に湾曲しているのか。ストレートパーマは金がかかるし、ヘアアイロンで伸ばすのも時間かかるし、俺も変身一発で全部決まればいいのに。
 服も俺の物を貸しているが、左程、身長が変わらないはずなのに手足の袖や裾の長さが足りなくなる辺りも悲しくなってくる。朝から憂鬱になり、髪を落ち着かせて戻るとジャンが俺の鞄にお手製の弁当を詰めている最中だった。
「フロック、弁当に肉詰めピーマン入れといたからな、食べろよ!」
 俺、ピーマン嫌いなんだけどな。料理の勉強をしてあの手この手で嫌いな物を食べさせ、好き嫌いを改善させようとしてくるのはなんなんだ。食べないでいると『ばあちゃんが好き嫌いは駄目ですよ。って言ってた』と、説教をかましてくる始末。猫の癖に。
 ジャン自身は猫用のご飯しか食べないが、それは下手に人間の物を食べると死んでしまうかららしい。そう言われると腹癒せに嫌いな物を食わせようとは出来なくなる。やられっぱなしで腹立たしい。
「じゃあ、行ってくる」
「行ってらっしゃい」
 ジャンに見送られ、学校へ。昼に空いている講義室で弁当を開いて食べていれば、ヒッチに見つかり『猫の写真は?』『撮ってない』『馬鹿なの?』の、応酬が繰り広げられた。
「あんた自分の猫が可愛くない訳?」
「そんなに撮りたがる心理の方が解らん」
 インスタ映えだとか、誰かに自慢したい気持ちもない。
「可愛い所は俺が見てるんだからそれで良くないか?」
「その可愛い姿をいつまでも残しておきたい。みたいな気持ちよ。解んない?あ、それとも、あんたって独占欲強いタイプなの?誰にも見せたくないくらい」
「猫如きに独占欲って……」
「最近、お弁当作ってくるようになったのも、健康に気使ったり、猫のご飯のために節約してんじゃないの?」
 ヒッチから怒涛の質問攻めを食らい、嫌いなピーマンをもっちゃもっちゃ咀嚼しながら考える。
 弁当は猫が作ってる。とは、とても言えない。ただでさえ尻尾が二つに分かれてて珍しい猫だし、勝手に出て行くなら兎も角、下手に公開して誰かに誘拐されても癪に障る。手元にあるものを見せびらかしていい事なんかない。俺はそれを知ってるからやらないんだ。
「別にそんなんじゃねぇし」
「あんた本当に面倒臭い性格してるわね、幼馴染ながら彼女が出来た時に愛想尽かされないか心配だわ」
「うるせぇなー、いつまで俺の姉ちゃん気取りなんだよお前」
 生意気を言えばヒッチに頭を叩かれ、ぷりぷりしながら帰っていった。面倒なのはどっちなんだか。
 大学でのやるべき事を終えてアルバイトへ行き、働いてから帰ると俺より早く帰っているジャンがカレーを作っていた。
「おかえり」
「ただいま」
 混ぜている手元を覗き込めば、具は人参にじゃがいも、鶏肉辺りか。大丈夫そうだ。
「直ぐ食うか?風呂入ってから食う?」
「風呂」
 単語で話し、手早く風呂に入るとカレーは既にご飯の上に盛り付けられていた。
「いただきます」
「いただきます」
 食事前の挨拶を済ませ、ジャンは猫缶に、俺はカレーに匙を入れると動きが止まる。
「なんだこれ?」
「椎茸」
 シーチキンに似た見た目の猫缶を頬張りながらジャンは事も無げに言う。俺が茸嫌いって知っててやってるよな。
「俺さ、茸の匂いとか、食感嫌いって……」
「好き嫌いは駄目だぞ。アレルギーなら猫カフェに持ってく」
 アレルギーではないが、嫌だと言うものを強制するのはいかがなものか。椎茸を避けつつカレーを食べていると、ジャンの視線が煩く、俺が渋々、椎茸を口にするとにっこり微笑んだ。ほぼ丸呑みではあるが、こうして食ってみると、食べれなくはない。万物を受け入れ、美味しくしてしまうカレーは偉大だ。が、まんまとジャンの策略に嵌ったようで、なんだか悔しい。

 悔し紛れに猫の姿になったジャンを捏ね回して遊び、疲れて寝入った所を見計らって薄手のブランケットを頭から尻尾の先まで全身に被せるとテレビにイヤホンをつけ、ゲーム機を使いアダルトビデオを流す。最初の茶番シーンに用はない。
 やってるシーンまでチャプターで飛ばし、目的のシーンに行くとズボンの中に手を突っ込んで自慰を始める。猫が来てからは気恥ずかしさでトイレや風呂で処理していたが、偶には映像を見ながら嗜みたい訳で、お気に入りの女優を眺めながらはいいものだ。
 嗜んでいる最中、視界の端に見えた茶色に嫌な予感がして顔を向ければ、ジャンが猫の姿で首を傾げながら俺を見上げていた。
 完全に寝たと思っていたのに。俺は慌ててズボンを引き上げ、立とうとしてしまったためにイヤホンがテレビから外れ、女の喘ぎ声が部屋に響いて気不味く、慌ててテレビを消した。
「なにしてんだ?毛繕い?人間もすんの?」
「い、いや……」
 腰を引いて勃起した股間を隠すが全身が熱い。
 ただの猫なら兎も角、ジャンは人間の中で働けるほどの知能がある訳で、見上げてくる純真な瞳が心に痛い。
「お前だって雄だし、動物は発情期とかあるんだから解るだろ?」
「なにそれ」
 更にジャンはきょとんとして逆に訊き返してくる。困った。そりゃ、動物は自慰なんかしないだろうが、解れよ。
「ほら、春先とか猫が吠えてるじゃねぇか。わーお。みたいな……。雌取り合って喧嘩したりさ」
「あー、俺、あれ怖いから嫌い。普段はいい奴なのに、皆攻撃的になって可笑しくなるしさ」
 ジャンは頭を後ろ脚で掻き、体を伸ばす。
 こいつには発情期がないのか。
 何故。
「その時、どうしてたんだお前?」
「怖かったから、声が聞こえ出したらばあちゃんの布団の中にいつもいたけど。なんであんな風になるんだろうな」
 発情期は子孫を残すための動物の本能だろうに、何故ジャンにはないのか。本能が薄いのか?動物の知識は薄いから解らない。
「俺、トイレ行くから……、先に寝てろよ」
「わかったー」
 ジャンは大欠伸をしてから素直にベッドへと戻り、俺はトイレでこそこそと抜いた。空しさで一杯になりながらベッドに行き、スマートフォンで発情期のない猫が居るのか調べてみる。すると、去勢の文字が出て、男としては股間が縮んだ。
 生後半年ほどで去勢をすれば、雄猫特有のおしっこを撒き散らすマーキング行為をしなくなったり、荒っぽい性格が落ち着くそうで、発情に振り回される事もなくなるらしい。人間の姿になった際に、つくものはついていた。全部が切られたりはしていないが。
「玉ねぇのか……、な?」
 毛繕いをしている最中に寝てしまったのか、舌を出したまま爆睡している間抜けなジャンの脚をそっと持ち上げ、股間をまじまじ確認すれば、睾丸がかなり小さい気もした。小さい頃に摘出されて、発情期の経験がないのか。だから、時期が来ると発情期に入った仲間は荒っぽくなるが、こいつ自身はその発情がないから解らない、イコールで性格が変わったように見えて怖い。
 去勢すると発情を無理矢理抑える事による病気や弊害が無くなったり、性格や声が子猫のままで可愛いとか、仔共を生ませない利点は書いてあるが、動物がそう好きではない俺からすれば、人間の都合でしかないよな。と、考えてしまう。
「十九年も生きてて童貞かお前……」
 人間では珍しくもないが、動物で発情期も経験せず、真っ新な体で生きているのは、通常であれば有り得ないのだろう。しかし、人間に飼われるとこうなる。愛玩動物って憐れだな。
 ぷすぷす呑気に寝息を立てるジャンの鼻筋を撫で、出ている舌を摘みつつ、男として憐れんでおいた。

   ◆ ◇ ◆ ◇

 帰宅し、玄関を開けた瞬間から嫌な音がして靴を放り投げながら部屋に飛び込み、テレビ前に居たジャンと、テレビの間に滑り込んで即座に電源を落とす。
「何見てんだお前!」
「昨日お前が見てたから、面白いのかなって?でも女の人が苛められてばっかりで可哀想。これ面白いのかお前……」
 ジャンはゲームをしたりしないから弄らないだろうと思っていたのに、俺が使っているのを見て、操作方法は覚えていたようだった。学習能力を無駄に使いやがって。
「苛めてんじゃねぇの!気持ちいい事してるだけ!」
「でも苦しそうだった……」
 発情期もない、自慰も経験がない奴に、これをどう説明すればいいのか俺は頭を抱える。今日、図書館で宦官などの去勢された人間の記述を調べてきたが、男は性欲が無くなると、権力や支配、金銭、飲食に関する欲が増大し、それで問題を起こす事が間々あるらしく、党錮の禁だか、十常侍がどうと書いてあったが、そこは興味がなかったため読み飛ばした。ただ、全てが悪さに繋がるのではなく欲求が探求心などの良い他に向けば大航海をした宦官のような偉業を残せる場合もあるそうで、要は欲求の向き。
 ジャンは言うなれば奉仕精神だろうか。本来動物が本能的に怖がる火も必要とあれば克服し、自分よりも俺の事を考えて行動している様は実に健気に見えた。
「お前さ、ちんこむずむずすんなー。みたいな時、一切ねぇのか?」
 言い方を悩みに悩んだ末に直球で訊いてみれば、当の本猫は首を傾げるばかりで埒が明かない。
「むずむず……」
「こう、体が落ち着かないなー。みたいなのとか」
「そういう時は、一杯毛繕いするかな?」
 当然だが、解決方法は猫的だ。全くなくはないものの、知識の薄さから性欲とは自覚出来ないのだろう。
「さっきから何の話だよ。俺はこう言う人を苛めるものなんて見るのは良くないと思うぞ!」
 ジャンが何もついていないテレビを指差し、アダルトビデオに話を戻す。そこまでずれてはいないんだ。お前が解ってないだけで。
 見た目は大きくとも、性に関する知識は子供以下。この差異をどうやって埋めよう。宦官も、去勢の仕方によっては性欲が残っていたそうだから、解ってくれるのなら話が早かったのに。
「だから、あれは苛めてるんじゃなくて……、そう、愛し合う行為だ!人間はああやって愛情を確かめ合うんだよ」
 アダルトビデオにそんなものがあるか。と、言う現実的な意見は頭の片隅に退かし、この行為は気持ちいいものであり、お互いを高め合いながらやる愛の儀式なのだと説明してやった。
 俺は童貞だから知らんが。
 そしてジャンの表情は険しいままで、一切納得していない。
「皆が怖くなるとさぁ、男が女に噛みついたりして痛がってるのに止めないし……、人間も酷いな……」
 ジャンが言っているのは猫の発情期の事だろう。
 ざっと調べただけでも猫の発情期は、本能が剥き出しになった雄の喧嘩に始まり、勝利した雄は雌が性交の痛みで逃げないよう首に噛みつき、力任せに押さえつけ、棘がついた性器を突っ込んで、中を引っ掻く痛みで排卵を促すだとか書いてあった。
 普通に考えて、雌からしたら無理矢理やられて痛いばっかりな上に、子供が出来ても雄はやりっ放しで子育てなんかしないし、最悪だと感じる。俺の独断になるが、猫にしてみれば、性行為が気持ち良くて、愛ある行為なんてとても思えないんだろう。気持ちは解る。
 気持ちは解るが、俺を汚いものを見るような目で見るんじゃない。
「いや、聞け。人間は違う。あれは気持ちいいからやってるんだ」
 プロの女優なら演技だろうが、この際それはどうでもいい。
 言葉で言って解らないのなら。
「やってみるか?」
 ひゅ。と、ジャンが息を呑み、一気に壁際まで体が遠退いた。
 ジャン動向を窺いながらご無沙汰している自慰用のローションを取り出し、近づいていく。
「そんなに震えなくても大丈夫だ。痛くない。怖くない。俺を信じろ。いいな?俺はお前が痛がるような事はしない」
 出来得るだけゆっくりした口調で諭し、顔色を青褪めさせて震えているジャンを宥める。
「猫になるなよ。そのままで居ろ。いいな?」
 流石に猫相手に性的な行為を教える変態にはなりたくない。
 怯えて人間の姿から、猫に戻ろうとした途中で止めたせいか、部分的に猫の耳と尻尾が出てしまっているが、これはまだ許容範囲だ。
「怖いなら目閉じてろ。痛い事は絶対しねぇから、な?」
 しかし、ジャンは俺から目を離さない。怖いから見ない。ではなく、怖いから見張っていないと不安と言った所か。声をかけながらジャンの穿いていたスウェットのズボンを引っ張り、下半身を露出させれば納得。確実に性交も自慰も経験がなさそうな桃色の性器が出てきた。いっそ可愛く見えてくる。
「ほんとうに……」
「大丈夫だって」
 他の野郎のものなんて正直見たくはないが、これは実施で教えないと理解しないだろう。理解させる必要はないかも知れないが、『フロックはこんなものを見て楽しむ酷い奴』だなんて変に拗れて、ジャンに嫌われたら俺が嫌だ。

 手にローションを垂らし、色は可愛いが大きさはしっかり大人で可愛げのないジャンの性器へ手を添わせ、扱いていく。耳がへたってるから、びくびくしてるのは気持ちいいと言うよりは恐怖だな。
「猫は知らねぇけど、人間はこうすると気持ち良くなるんだよ」
 解説を交えても、あまり信は得られていないようだ。
 性器を両手で扱きつつ、玉にも触れてみれば睾丸が入っていない。やはり、幼い頃に去勢手術を受けたんだろう。睾丸がなくても吐精は出来るものか?そもそも睾丸がなければ精液は作られないはず。それだと抜いた際の心地好さは感じないのでは?
「どうだ?」
「なんか、変……」
 背にしていた壁からずり落ち、本来は人間の耳があるはずの場所に生えた猫耳をへたれさせて顔を赤くしていた。
 大男に猫耳。猫耳は可愛い女の子がやってこそ、いいものであるはずなのだが、これはこれで悪くない気もする。痘痕もえくぼか?
「ちょっと指入れるから、暴れるなよ?あぶねぇし」
 ジャンは小さく頷き、俺にされるがままだ。
 奉仕精神もここまで行けば立派と言うか、阿保と言うか。
 尻の孔にローションをぶちまけ、なじませながら指を沈めて気持ち良くなれる部分を文字通り手探りで探す。
「な?痛くも怖くもないだろ?」
 ローションをにちゃにちゃ言わせつつ、性器を弄り、孔を広げていく。ジャンは言われた通り大人しくしており、スウェットの上着を握り締めて涙を浮かべていた。なんか苛めてる気分になってくる。
 弄り続けていれば少し性器が硬くなり、孔の中にある前立腺が探し易くなった。探っていれば指先にこりこりした感触が当たる。
「あっ、あ、なにっ……!」
 開いていた足が揺れ、ジャンが声を上げる。
「ちんこなくても気持ち良くなれる所だから頑張れ」
 本当に俺は何をやっているんだろう。猫の生態に宦官の歴史に、そこで出てきた前立腺やらなんやらの語句をスマートフォンで調べ、得た知識を元に飼い猫へ性的悪戯ともとれる行動をする。
 あぁ、でも顔真っ赤で涎垂らしてひくひくしてんのが可愛く見えない事もない。いや待て。やばい事に嵌ってないか俺。
「あ、はぁ、あぅ……ん、んん……」
 眼もとろんとして、尻尾もぐねぐね動いてる。
 これは間違いなく気持ちいいと判断して大丈夫だな。
「な?人間のは気持ちいいだろ?」
「わかんない、けど、頭、が、ふわふわする……」
 これなら放っておいても徐々に解ってはいくだろう。
 アダルトビデオの件も、俺が何をやっていたかも。

 どうにも俺自身の股間も痛い。自棄になって一気に色んなものをなくした気がするが、気づかない振りをしておく事にした。

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